朝鮮民主主義研究センター

開設の趣旨

日本では「北朝鮮」のイメージは極端に悪い。女子中学生を拉致したり、核兵器やミサイルで日本を脅かしたりする恐ろしい国、というのが保守派によって作られた一般的なイメージだ。その一方で、日本がかつて朝鮮半島を植民地支配したことの責任を問い、拉致やミサイルを持ち出すのは問題のすり替えだと批判する進歩派の声もある。

かつては「地上の楽園」と宣伝された朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)だが、1990年代以降は食糧危機が伝えられている。韓国へ亡命した人たちの証言により、北朝鮮には強制収容所が存在することも明らかになってきている。朝鮮民主主義人民共和国という国家が何らかの問題を抱えていることは疑えない。にもかかわらず、その点への日本社会の関心は高いとは言えない。保守派は日本の国益や日本人の利害にしか関心がなく、進歩派は贖罪意識や社会主義幻想に囚われて現在の北朝鮮に関心を向けることができなくなっている。

私にとって北朝鮮は長く“避けて通るべきテーマ”だった。乱暴な主張が多くて冷静な議論がしにくい分野だからだ。しかし、姜哲煥・安赫『北朝鮮脱出』(文春文庫)で強制収容所の実態を知り、避けて通るわけにはいかないと思うようになった。

北朝鮮の民衆にとって今もっとも重要な問題は何かといえば、300万人が死んだとも言われる食糧危機と、強制収容所が象徴しているような基本的人権の侵害だろう。私はこの二点を中心にして北朝鮮の問題を考えていきたい。

北朝鮮に関するWebページには様々な立場からのものがあるが、それぞれ自分に近い立場のWebページにしかリンクを張っていないため全体の状況をつかむのが難しくなっている。そこで私はこの「朝鮮民主主義研究センター」を開設することにした。北朝鮮に関する各Webページの更新状況をチェックして紹介し、同時に北朝鮮に関する新刊書の情報も掲載していく。(2001/01/03)

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小池和彦(kazhik@yahoo.co.jp)