朝鮮民主主義研究センター

2009年12月 1日

産業廃棄物による河川汚染を警告した研究者が粛清

デイリーNKの記事によれば、咸興化学工大の土質調査研究所の研究員が朝鮮労働党中央に手紙を送り、中国から受け入れた産業廃棄物で北朝鮮の河川が汚染されていることを指摘して対策を求めた。10月20日に党の崔泰福書記が大学を訪れた際のことだ。同書記は金正日に伝えることを約束したが、その後11月1日、党中央委員会は研究所を閉鎖して幹部と研究員を粛清した。党中央に手紙を送る場合は細胞の会議を開いて上級機関に送らなければならないのに、土質調査研究所の研究員たちはこの手続きを無視した、という理由からだ。研究員たちの行動は分派行為と見なされたという。

崔泰福は10月に中国を訪れて胡錦濤主席と会談している。中朝関係の緊張は望まない立場だろうから、中国の産業廃棄物による汚染問題は手に余ったのかもしれない。しかし真摯に問題を指摘した研究者たちを粛清してしまったら、今後彼に対して率直な報告を送る者はいなくなる。デイリーNKに情報を伝えた人物は「中央委員会が研究所の幹部や研究員を処罰することを決めたのは同様の行動が起こることを恐れたからだ」と推測している。たしかに、このように処罰されると分かったらどんな問題があろうと見て見ぬふりをするしかない。

中国の産業廃棄物で北朝鮮の河川が汚染されているとしても、中国が悪いということにはならない。北朝鮮に廃棄物を処理する適切な設備や制度が欠けていることが問題だ。問題提起者を粛清してしまった後、この問題を一体誰が解決するのだろうか。

今週の北朝鮮(2009/11/21-2009/11/27)
投稿者 kazhik : 2009年12月 1日 13:22
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