朝鮮民主主義研究センター

2009年11月 8日

南北格差を縮小させる道は経済協力ではない

韓国統一部の玄仁沢長官は、11月3日に行われたセミナーにおいて、「南北韓国民総所得(GNI)の格差は38倍で、輸出額は384倍であり、時間がたつほど格差が広がっている」「南北間の経済力の差を解消するのに北核問題解決はその礎石」と述べた。北朝鮮が核を放棄すれば南北の経済協力が可能となり、南北格差を縮小させることができる、ということだ。

同じセミナーで、ドイツのハンス・ザイデル財団のベルンハルト・ゼリガー氏は「韓国で今後、統一ドイツのように、あるいはもっとひどく南北住民間に敵がい心が現れる可能性が高い」と指摘した。統一後20年経っても東西の住民のあいだには精神的な壁が残っているのだという。

統一部の長官が南北格差の拡大に言及したのは、それが問題だと理解しているのであれば歓迎すべきことだ。しかしそれを解決するために経済協力が必要だというのは政策的に正しくない。金大中・盧武鉉政権の十年間に行われた経済協力が南北格差を縮小させなかったことを考えれば明らかだ。体制に欠陥があるために経済が停滞しているのだから、まず必要なのはその欠陥を是正することだ。それなしに経済協力を行ってもカネの無駄遣いにしかならない。といっても北朝鮮の支配層に経済改革の意思がまったくないことはこれまでの歴史により明白なので、南北格差を解消するための道は北朝鮮の体制を崩壊させること以外にない。

北朝鮮の体制が崩壊して韓国が北朝鮮を併合することになれば、北朝鮮の市民は旧東独市民と同様に二級市民のように扱われることになるのは間違いない。韓国に入った脱北者が韓国社会に適応するのに苦しんでいることを考えれば明らかだ。しかしそれを避ける道もないわけではない。北朝鮮の市民が自らの手で現在の体制を打ち倒し、民主化と大胆な経済改革を実行し、その上で韓国との対等な統合を実現すればいいのだ。

金正日時代の終わりが近づいている今、南北統一は遠い夢ではない。六ヶ国協議や経済協力などといった現在の枠組みを維持するのではなく、新しい枠組みをつくって行動を開始すべきだ。

今週の北朝鮮(2009/10/31-2009/11/06)
投稿者 kazhik : 2009年11月 8日 17:54
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