朝鮮民主主義研究センター

2009年9月13日

北朝鮮によるダム放流で韓国人6名が死亡

臨津江と言えば、日本ではフォーク・クルセダーズが1968年に発売しようとした曲「イムジン河」が有名だ。歌詞は「イムジン河 水清く とうとうと流る」と始まる。

ところが、現実の臨津江は常に滔々と流れているわけではなさそうだ。9月6日に北朝鮮側のダムが大規模な放流を行ったため増水が起こり、下流でキャンプをしていた韓国人6名が流されて亡くなった。

韓国側の説明要求に対し、北朝鮮側は7日に「上流にあるダムの水位が高まり、5日夜から6日未明にかけて緊急放流することになった」「今後、臨津江下流での被害を防ぐため大量の水を放流する場合は南側に事前通報する措置を取る」と返答した。人命被害に対する謝罪の言葉がない、と憤激した世論に押され、韓国政府は8日になって北朝鮮政府に対して謝罪を要求した。放流は意図的に行われた「水攻め」ではないか、という説まで出ている。

意図的に放流したのであれば今後の事前通報を約束するわけがない。「水攻め」は暴論だ。また、韓国側の対応にも問題がなかったとは言えない。水位を観測し、増水したら警報を発するシステムがあったにもかかわらず、事故の2日前から正常に動作していなかった。対応を怠ったということで韓国水資源公社の職員3名が業務上過失致死により刑事立件される見込みだ。水位の上昇は韓国軍の哨兵も確認していたが、情報は合同参謀にのみ伝達され、水資源公社や地方自治体には伝達されなかった。北から南への連絡がなかっただけではなく、南の内部での連絡も不足していた、ということだ。

しかしいずれにせよ、南北分断が解消されれば今回のような事故も起こらなくなるだろう。フォーク・クルセダーズが歌った「イムジン河」の歌詞は、元々は北朝鮮の詩人である朴世永氏が1957年に書いたものだった。水鳥は北から南へ自由に飛んでいくが、人は自由に行けない、という分断の悲しみが表現された。この悲しみは50年以上経った現在も続いており、「イムジン河」は名曲でありつづけている。臨津江が分断の象徴から統一の象徴へと変わるのはいつの日か。

今週の北朝鮮(2009/09/05-2009/09/11)
投稿者 kazhik : 2009年9月13日 19:23
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