朝鮮民主主義研究センター

2009年9月21日

失敗に終わった「150日戦闘」

北朝鮮で4月から行われていた「150日戦闘」が終わった。2012年に強盛大国の大門を開く、という国家目標の実現へ向け、経済の各分野で生産の拡大を図る運動だ。

朝鮮新報では「飛躍と前進の『150日』」と題して長期連載が続いていた。平壌の万寿台通りで行われている住宅建設には以前の1.7倍の人員が投入され、建設者たちは昼夜二交替制で2,3人分働いている。機関車生産の工場は昨年の生産実績の10倍の目標を掲げ、定年退職した労働者が戻って課題の達成に取り組んでいる。被服工場の月間生産実績は昨年の170%を維持しており、労働者たちは「すぐ近くの自分の家で家族と団らんの時間を過ごすことがほとんどなくなった」。平安南道价川市の宝富協同農場では専業主婦を中心に1200人が一丸となって1200メートルの水路を完成させた。紹介されるのは労働強化の実例ばかりだ。

これで不満が生じないわけがない。咸鏡北道穏城郡の鉱山で働く労働者のあいだからは、ろくに配給もないのにもっと働けと言われても無理だ、という声が漏れた。各種の動員、支援品の徴収、こまごまとした統制に嫌気がさしたある主婦は「食べていくのも大変なのに、花を出せだのスカートを履くなだの、些細なことで人民を苦しめて、党と人民の仲を悪くしようとする悪いやつらがいる」と人前で話した

そこで朝鮮労働党は、不法な取引や賄賂がはびこっている状況を告発する手紙を除隊した兵士から手紙を受け取った、として党や政府の幹部の「反社会主義行為」を取り締まり始めた。平壌のある役人は、この手紙は人民の不満をそらすために捏造されたものだと解説した。

「150日戦闘」は人民の不満を高めただけでなく、それ自身の目標さえ達成できなかったようだ。すぐに年末へ向けて「100日戦闘」が始まった。党と人民のあいだの緊張はさらに高まることになる。その責任を一部の幹部の「反社会主義行為」に転嫁しつづければ、幹部層も党から離反しはじめることになるだろう。

今週の北朝鮮(2009/09/12-2009/09/18)
投稿者 kazhik : 2009年9月21日 10:32
コメント&トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://asiavoice.net/mt/mt-tb.cgi/365