アメリカ国務省のカート・キャンベル次官補は、訪韓中の7月18日、「北朝鮮が真剣で不可逆的な措置をとるなら、合衆国、韓国、日本、中国および他の国々は、北朝鮮にとって魅力的であろう包括的パッケージを提供することができる」と語った。具体的に国名を挙げているところからみて、韓国、日本、中国と調整した上での発言だろう。
この発言はこれまでの「行動対行動」の原則を修正したものと解説するメディアが多い。最終目標である核廃棄へ至る道を細分化し、その段階ごとに補償を与える、というのではなく、最終目標そのものと包括的パッケージを交換しようとするのが狙い、ということだ。この点は国務省のプレスブリーフィングでは「我々が行動対行動の原則に反しているとは思わない」と否定されており、それほど明確ではない。
パッケージの中身が何なのかはまだ明らかにされていない。イギリスのフィナンシャル・タイムズは韓国の高官の話として400億ドルの援助基金の構想があることを報じた。その構想では、5つの自由貿易地域、300万ドルの売上をもつ100個の企業ができ、国際社会が鉄道や道路の建設を援助して30万人の近代的労働力を育成するという。「非核・開放・3000」構想の再現だ。アメリカ国務省が言い始めた包括的パッケージというのはこの構想を取り入れたものかもしれない。発想はよく似ている。
「非核・開放・3000」構想は既に北朝鮮が繰り返し拒否しており、今後も受け入れる見込みはない。北朝鮮政府は改革開放による体制の動揺を恐れており、「5つの自由貿易地域」を魅力と感じるはずがない。この構想は北朝鮮が政策を変えるまで韓国は何もしなくてよいというものなので、無政策をごまかすのに役立つだけだ。オバマ政権がこれを取り入れたのであれば、アメリカも韓国と同様に無政策を選択したことになる。新しい政策は「無関心」政策だ、という指摘は意外と的を射ている。
ASEAN地域フォーラム(ARF)に出席している北朝鮮代表団のリ・ホンシク外務省国際機構局長は、この包括的パッケージを「話にもならない」と一蹴してみせた。しかしその一方で「アメリカとの対話には反対しない」と述べ、含みを残した。水面下で何らかの交渉が進んでいるのだろう。終わりのない無意味な対話が再び始まりそうだ。
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