朝鮮民主主義研究センター

2009年6月14日

終わりへと向かう開城工業団地

6月11日、開城で韓国と北朝鮮の当局者による実務会談が行われた。北朝鮮側は、労働者の賃金を平均75ドルから平均300ドルへと引き上げること、および100万坪の土地賃貸料を31倍増の5億ドルに引き上げることを要求した。「北朝鮮の労働者が学歴・生産性・技術などすべての面でベトナム・中国の労働者より優秀なのに、開城はでむしろ労賃が安くなっている」と主張した

韓国企業からは「想像すらできない金額」「出て行けといったほうが、より素直な表現なのでは」という声が挙がっている。衣類メーカーのスキンネットは会談を待たずに開城からの撤退を決めた。社長はインタビューで「賃金面では有利だったが、問題は生産性だ。労働者一人当たりの生産量はソウル工場を100とした場合、北京は70で、開城は35だ。海外で新しく工場を建設した場合、1年ほど過ぎてやっとソウル工場の50%を超えるようになるが、開城ではそうならなかった」と説明した。「開城工業団地に入居した多くの企業は中国と同じぐらいの経営権が保障されれば北朝鮮が要求する水準まで賃金の引き上げをする意向もある」とも語っている。問題の核心は賃金や土地賃貸料の額ではなく、経営権の問題ということだ。

賃金や土地賃貸料について当局者同士が協議するというのはたしかに異常だ。北朝鮮はベトナムや中国と違って経済改革をまったく進めていないからそういうことになる。中国と同じぐらいの経営権が保障されれば、というスキンネットの社長の条件が今後満たされる可能性は全くない。

挑発と制裁の循環に入っている核問題とは異なり、開城の問題はまだ条件闘争の外見を保っている。韓国側が要求を呑めば開城工業団地は存続する。しかしこのように政治的に揺さぶられつづける中では安定した経営など不可能だ。韓国企業は遅かれ早かれ縮小・撤退の方向へ進むことになるだろう。

今週の北朝鮮(2009/06/06-2009/06/12)
投稿者 kazhik : 2009年6月14日 17:04
コメント&トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://asiavoice.net/mt/mt-tb.cgi/352

コメントする
(必須)


(必須:公開したくない場合は下のURLも入力してください)





名前、アドレスを登録しますか?