開城で21日、韓国と北朝鮮の当局者による協議が行われた。北朝鮮側は、2014年まで無償とされている開城工業団地の賃貸料を来年から支払うこと、および、現在は中国の半分ほどになっている労働者の賃金を中国なみに引き上げることを要求した。
もともと開城工業団地は、南北関係が悪化すれば存続が危うくなる、というリスクを抱えていた。しかし南北和解の象徴として政治主導で進められてきた。進出企業にとって唯一のメリットは賃金が安いことだった。そのメリットが否定されてしまえば、もはや韓国企業が開城にいる理由は何もない。北朝鮮の要求が通った場合は撤退することになるだろう。
以前、ブッシュ政権のレフコウィッツ対北人権特使が開城の労働者の賃金が安いことを批判したことがあった。数年越しで北朝鮮がその批判に応え、韓国企業が悲鳴を上げている、という皮肉な状況になっている。レフコウィッツの批判がいかに的外れだったかが改めて分かる。
レフコウィッツの批判の際に議論された通り、開城の労働者の賃金は北朝鮮の他の地域よりも高い。北朝鮮側の要求に従って開城の労働者の賃金を引き上げると北朝鮮内部での賃金格差が拡大することになる。それは北朝鮮側にとっても好ましいことではない。
明確な北朝鮮政策を持たない李明博政権は今回もふらついている。北朝鮮側の要求を理不尽なものとして切り捨てるのではなく、進出企業の意見を聞いてから判断する姿勢を示している。北朝鮮側の目的は開城の全面的な閉鎖ではなく北朝鮮にとって都合のよい条件だ、と考えているためだろう。
多少譲ってでも開城工業団地を存続させるのも間違っているとは言えない。韓国企業が配るチョコパイが北朝鮮の労働者のあいだで人気、という報道もある。どんな形であれ、人の往来があれば相互の理解も深まっていく。しかし、現在の李明博政権は何の政策も持たないまま北朝鮮側に振り回されているだけだ。
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