朝鮮民主主義研究センター

2009年4月20日

北朝鮮の六ヵ国協議脱退で茶番は終わるか?

国連安保理は北朝鮮による人工衛星の打ち上げを非難し、同時に六ヶ国協議の再開を呼びかけた。それに対し、北朝鮮は毎度おなじみのスタイルで反発し、六ヵ国協議から脱退して自衛的核抑止力を強化していく、と宣言した

もともと今回の打ち上げは問題視するほどのことではなかった。安保理の議長声明が強い調子で北朝鮮を非難しているのも妥当とは言いがたい。しかし、結果として北朝鮮が六ヵ国協議に「二度と絶対に参加しない」と宣言したのは喜ばしいことだ。数年にわたる茶番がようやく終わるかもしれないからだ。

近藤大介氏のコラムが中国人外交官の面白い言葉を伝えている。その外交官は6年前に六ヵ国協議をこう解説したという。

「6カ国協議は、まさに中国外交が創った'芸術作品'だ」「この'芸術作品'は氷でできている。つまりゆくゆくは溶けてなくなるだろう。でも一定期間、展示されればそれでいいんだ。手本にしたのは、『会議は踊る』と言われたウィーン会議だよ」

そして今回あらためて今後どうするのか聞いたところ、こんな答えが返ってきたという。

「知らなかったのかい? あの『氷の作品』は、チビでデブの独裁者をかたどっていたことを。そのモデルが痩せ衰えてきたんだから、物語の終幕はハッピーエンドに決まっているじゃないか。」

この発言のうち、6年前のほうは中国の政策をよく言い表している面がある。六ヵ国協議の意義は何らかの成果を生み出すことにあるのではなく、「一定期間」時間を稼ぐことだった。誰もが問題を解決しようとする姿勢を示すことができ、同時に問題を何も解決しないでいることができた。

しかし6年後の今、金正日が病気で倒れたことで状況は変わった。大きな変化が目前に迫ってきた。六ヵ国協議が本当にウィーン会議を手本にしたものなら、北朝鮮を除く五ヵ国は金正日後の東北アジアの秩序について協議を重ねる必要がある。北朝鮮が自らすすんで六ヵ国協議から脱退した今は絶好のチャンスでもある。

残念ながらそのような協議が行われているという報道はない。新しい東北アジアの秩序について構想を発表する政権もない。李明博はPSIへの参加を発表する程度のことさえ予定どおりに進めることができず、麻生は経済制裁をわずかに追加するだけでお茶を濁した。オバマも六ヵ国協議の代わりに米朝交渉を始めそうな状況だ。「物語の終幕はハッピーエンドに決まっている」などと確信できる状況では全くない。

今週の北朝鮮(2009/04/11-2009/04/17)
投稿者 kazhik : 2009年4月20日 13:06
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