ばかげた「ミサイル」騒動が終わり、北朝鮮の最高権力機関である最高人民会議の第12期第1回会議が開かれた。金正日は1998年、2003年に続けて三期連続で国防委員長に選出された。
同時にナンバー2とも言われる金正日の義弟の張成沢が国防委員に選出された。これはポスト金正日時代への布石と見られている。後継者として有力視されているのは金正日の三男の金正雲だが、1983年生まれなのでまだ若い。政治活動の経験も乏しいので、当面のつなぎが張成沢というわけだ。
金正日は1974年に後継者として正式に決定され、1980年に朝鮮労働党中央委員会書記となった。そして金日成死後の1997年に総書記となり、1998年の憲法改正とともに国防委員長に選出された。金正日の後継者も同じように準備するのであれば、現時点で正式な後継者が決まっていなければならない。しかしそのような兆しはない。つなぎとして張成沢が登場するのは後継者選びが難航していることの現れだろう。
ソ連や中国からの援助を期待できた金日成体制とは異なり、金正日体制は孤立した体制として綱渡りの政権運営を強いられてきた。金日成時代のイデオロギーを捨てて改革・開放へ踏み出すことができずに経済を破綻させた。それでも強力な弾圧機構に助けられて体制を維持することができたが、もはや限界が近づいている。経済の破綻とともに市場経済が普及し、人民は経済的に自立してきた。市場経済を制限しようとする当局に抵抗するほどの政治的自立性も発揮しつつある。
このような現在の北朝鮮に必要なのは大胆な政策変更を提案できる指導者だ。つなぎ役でしかない張成沢では正式な後継者を準備するどころか体制崩壊を準備することになるだろう。
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