日本国際問題研究所の宮本悟氏が北朝鮮の兵力数を70万人と推計している。
イギリスの国際戦略研究所(IISS)が発行する『ミリタリー・バランス』や日本の『防衛白書』は110万人、韓国国防部の『国防白書』は119万人と推計しているので、それよりかなり少ない。
宮本氏は1993年の人口センサスに基づいて兵力数を推計した文浩一氏の研究に依拠している。文氏は1993年の兵力数を691,027人としていた。同じ方法で2008年の人口センサスに基づいて兵力数を推計すると702,373人になるという。韓国軍は65万人だから、ほとんど同じ規模ということになる。
文浩一氏は兵力数だけでなく1990年代の飢饉の餓死者数も人口センサスをもとに推計している。「北朝鮮人口推計:1994年∼2000年」という論文によれば、餓死者は33万6000人。脱北者に対する聞き取り調査に基づいてグッドフレンズが推計した300万人という数字に比べてかなり少ない。
兵力数にせよ、餓死者数にせよ、北朝鮮に関する数字はさしたる根拠もないまま確定したものであるかのように語られがちだ。文氏や宮本氏の数字はそういったものとは異なり、信頼できる。兵力数は110万人ではなく70万人、餓死者数は300万人ではなく33万人、と訂正したからといって、北朝鮮に関するこれまでの分析が無効になるわけではない。70万人でも北朝鮮の人口からは異常に多いし、33万人が餓死したというのはもちろん重大な事態だ。大げさな数字に振り回されるのではなく、確実な数字に基づいて議論していきたいものだ。
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