朝鮮民主主義研究センター

2009年2月16日

法的観点から見た北朝鮮の変容

韓国・慶南大学の極東問題研究所のサイトに尹大奎氏の論文「北朝鮮の変容:法的視角」が掲載された。市場経済の導入にかかわる法制度の整備について論じたものだ。小見出しは以下の通り。

  • イントロダクション
  • 1992年の憲法改正
  • 1998年の憲法改正
  • 市場経済の概念の採用
  • 商業活動の合法化
  • 生産手段の所有形態の変化
  • 外国貿易担当官庁の多様化
  • 特別経済区域の設立のための基礎
  • 旅行の自由の承認
  • 市場の合法化
  • 商業活動と私有財産の保護
  • 個人責任の強化
  • 不法行為の増加
  • 民事紛争の増加
  • 法と司法システムの役割の拡大
  • 不法行為と腐敗の激化
  • 結論

尹氏によれば、北朝鮮は1992年の憲法改正で外国からの投資に道を開き、1998年の憲法改正によって市場経済を部分的に導入した。それに伴って刑法や損害賠償法も改正された。しかし計画経済が破綻して闇経済が広がる状況に十分追いつくことはできず、不法行為が蔓延することになった。

北朝鮮は全体主義国家だという思い込みに支配された先週の経済自由度指数とは対照的に、この論文は1990年代から存在する一貫した変容過程を理解させてくれる。最近1-2年の反市場政策は小さな揺り戻しにすぎないことが分かる。

しかし、市場経済へ向かっての変容は、北朝鮮の公式イデオロギーからの乖離でもある。だからこそ揺り戻しが起こっている。揺り戻しと言っても1992年以前に戻れるはずはなく、1998年に戻ることも難しい。硬直した体制の論理が経済の論理に足元をすくわれる日はそれほど遠くない。

今週の北朝鮮(2009/02/07-2009/02/13)
投稿者 kazhik : 2009年2月16日 14:14
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