朝鮮民主主義研究センター

2008年12月27日

いま必要なのは経済制裁論議ではない

今月19日、アメリカのピーターソン国際経済研究所が「北朝鮮に対する国連制裁の(無)影響」という報告書を発表した。執筆したのはマーカス・ノーランド。今年の春に食糧危機を警告した研究者だ。

報告書は2006年10月に行われた北朝鮮の核実験に対する国連の制裁について分析したものだ。ノーランドは中国および韓国と北朝鮮の貿易が減っていないことを確認し、制裁は効果がなかったと指摘している。彼がとくに問題視しているのは国連常任理事国である中国だ。中国は核実験を行わないよう北朝鮮に警告し、北朝鮮が核実験を強行すると国連の制裁決議に賛成したが、制裁を完全に実施することに対して乗り気ではなかったという。

このノーランドの見解は、経済制裁の効果を貿易統計で測ろうとしている点が基本的に間違っている。北朝鮮の核開発に対する制裁なのだから、制裁によって北朝鮮が核開発をやめれば成功、続ければ失敗、と評価するべきだ。仮に経済制裁の結果として貿易が激減していたとしても、それによって北朝鮮が核開発をやめないかぎり、制裁は失敗と言う以外ない。

そもそも経済制裁で北朝鮮の核開発を止めようとすること自体が無意味だった。私は核実験の直後に「<対話>であろうと<圧力>であろうと北朝鮮の現体制の存続を前提とするかぎりは意味がない」と書いた。現在も言いたいことは変わらない。対話を続けても制裁を続けても北朝鮮が核開発をやめることはないだろう。

しかも、金正日が脳卒中で倒れたことで状況は根本的に変わっている。いま必要なのは経済制裁について議論することではなく、<金正日後>を見通した上で新しい北朝鮮政策をつくることだ。

今週の北朝鮮(2008/12/20-2008/12/26)
投稿者 kazhik : 2008年12月27日 21:42
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