韓国に対する北朝鮮の揺さぶり戦術が続いている。11月24日、南北将官級軍事協議の北朝鮮代表団団長は12月1日から以下の措置がとられることを通告した。
11月12日の通告が具体化された内容になっている。前回の通告で脅迫したにもかかわらず、李明博が訪米中に「自由民主主義体制での統一が最終目標」と発言したことが問題視されている。
今回の通告を受け、韓国の与党ハンナラ党はようやくこれまでの姿勢を改める気になったようだ。イム・テヒ政策委議長は「これまでの(間違った)関係から、正常かつ普遍的な南北関係へと方向転換すべき時が来た」と語り、洪準杓院内代表からは「この10年間、北朝鮮は脅しさえすればカネを手に入れられたが、これからは違うということを北朝鮮も思い知るべき」という発言が出た。
一方、朝鮮中央通信は11月25日、金正日が新義州の工場を視察したことを報じた。新義州は中朝貿易のゲートというべき地域だ。これを韓国のメディアは「開城捨てて中国と経済協力?」などという見出しで伝えている。
しかし、韓国との関係を断って中国との関係を強化するのは北朝鮮にとっても決して合理的な選択ではない。北朝鮮は韓国に対しては揺さぶり戦術を使うことができるが、中国に対して同じ戦術を使うことはできない。過去にそんな例はない。また、経済の面では中国も完全な資本主義経済であり、中国との経済関係が拡大すれば北朝鮮経済も資本主義化していく以外ない。開城工業団地が縮小させられているのは金正日が「開城工業団地での黄色い風(韓国からの資本主義的風潮)を防げ」と指示したためだ、という見解が出ているが、「黄色い風」は中国からも吹いてくる。
出口がない北朝鮮は、いずれ今回の展開を反転させる以外なくなる。アメリカのオバマ政権が本格的に始動し、北朝鮮政策の方向性が明確になってくれば、それにあわせて南北の緊張も緩和されるだろう。オバマ政権が韓国を置き去りにして米朝関係を改善するなどということはありえない。
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