朝鮮民主主義研究センター

2008年9月28日

歴史的チャンスがやってきた

金正日がいつ死ぬかに関わりなく、今後数年間は北朝鮮の支配層にとって「中継ぎ」の期間になる。後継者をめぐって権力争いが行われる期間だ。

金正日の権力を誰が引き継ぐとしても、政策的な選択肢はそれほど多くない。北朝鮮の体制は硬直した金日成主義のイデオロギーとあまりにも強く結びついているため、同盟国であるはずの中国に倣って改革開放政策を進めることすらできない。朝鮮戦争以来の歴史を清算して韓国と和解し、統一へと第一歩を踏み出すことは夢でしかない。しかし現在の体制をそのまま存続させることもますます難しくなっていく。閉鎖的で孤立した体制であるにもかかわらず外国からの援助をたえず必要とする体制は、長続きするものではない。

結局のところ、ポスト金正日をめぐる権力争いは沈没していく船の奪い合いでしかない。当事者にとっても意味のない争いだ。途中から体制崩壊をにらんだ争いへと転化していくことになる。

ソ連では、スターリンが1953年に死んだ後、フルシチョフが1956年にスターリン批判を行うまで3年かかった。忠実なスターリン派が権力を引き継ぎ、その内部で激しい権力争いが行われた末にスターリン時代が否定される結果になった。北朝鮮の場合も同じ経過を辿るだろう。現時点で忠実な金日成主義者であっても、国際的孤立や国内的行き詰まりを打開しようとすれば金日成と金正日が作った歴史を否定する以外ないのだ。

しかし、金日成主義者たちにのんびりと権力争いをやらせておく手はない。食糧不足と人権侵害に苦しんでいる北朝鮮の人民にそんな余裕はない。金正日の権力は引き継がれる前に消滅させるべきだ。

人民がみずから現体制に反対して立ち上がってくれれば一番よい。しかし周辺国もただ見ているしかないわけではない。ソ連とは異なり、北朝鮮は分断国家だ。南との統一が歴史的な課題になっている。それを実現するための手段は現在ではきわめて簡単で、中国が中朝国境を開放するか、または韓国が38度線を開放すればいい。そうすればベルリンの壁の崩壊が東ドイツを消滅させたのと同じことが起きる。

一ヶ月前には夢でしかなかったことが、今では現実的な展望になっている。行動のチャンスが生まれている。

今週の北朝鮮(2008/09/20-2008/09/26)
投稿者 kazhik : 2008年9月28日 06:18
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