5名の自民党総裁選候補と民主党党首の小沢一郎に対し、特定失踪者問題調査会・北朝鮮帰国者の生命と人権を守る会・北朝鮮難民救援基金が共同で公開質問状を出した。拉致被害者の救出や脱北者の保護について見解を問うものだ。
残念ながら、今の日本では拉致問題はもはや焦点になっていない。脱北者や帰国者の問題も忘れ去られている。自民党総裁選で麻生太郎が勝ち、首相となるにせよ、年内にも行われる衆議院選挙で民主党への政権交代が実現するにせよ、それが北朝鮮政策の大きな転換をもたらす可能性はあまりない。
しかし、金正日の健康問題が浮上したことで状況は大きく変わったと考えるべきだ。デイリーNKの孫光柱編集局長が指摘する通り、「金正日と北の急変事態」は潜在的な課題から当面の懸案へと変わったのだ。
これまでの日本の北朝鮮政策は北朝鮮の現体制が続くことを自明の前提としてきた。その前提の下で経済制裁を強化するか国交正常化交渉を推進するかという違いでしかなかった。この前提はもう捨てる必要がある。北朝鮮の体制崩壊、朝鮮半島の統一といった事態も想定しながら政策を考えなければならない。
1990年代の核危機の際、日本政府は数万人単位の脱北者を受け入れる案を検討したことがある。戦争が起こり、北朝鮮の体制が崩壊する可能性があったためだ。現在でもその程度のことならできるはずだ。
人権、民主主義などの普遍的価値を共有できる東北アジアの秩序を構想し、それを積極的に実現する政策を打ち出すことができればさらによい。そんな政治家は現在の日本にはいないが、必要なのはそのような政治家だ。
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