8月27日、脱北者を装って韓国でスパイ活動をしていた、という容疑でウォン・ジョンファ氏が逮捕された。彼女の活動を助けた疑いで、彼女の継父のキム某氏、および彼女と交際していた韓国軍の将校のファン某氏も逮捕された。
警察側の情報によれば、ウォン氏は2001年に韓国に入国し、軍や情報機関の関係者に接近。軍事機密や脱北者の情報を得ようとした。情報機関の関係者を暗殺するよう指示されたこともあった。ただし実行はしなかった。この件の捜査は2005年に始まったが、今年7月に彼女が北朝鮮から指示を受けていたことを示す証拠が得られたため逮捕にふみきった。彼女は現在は基本的な事実を認めているという。
報道されている「事実」がどこまで本当なのかは分からない。1999年に公開された韓国映画『シュリ』からストーリーを借りてきたような話だ。完全なデッチ上げの可能性もある。
しかし、いまこのような事件が公表されたことにはそれなりの意味がある。盧武鉉政権の時期であればおそらく公表はされなかっただろう。すでに南北関係は十分に悪化しているので、この事件の政治的影響はあまりない。
ただ、この事件は脱北者に対する偏見が強まるきっかけになるかもしれない。もともと脱北者が韓国社会に適応するのは難しく、安定した職を得ている者はごくわずかだ。その傾向が強まれば、不安定な生活を続ける脱北者に北朝鮮の情報機関が働きかける可能性がかえって高まることになる。
ウォン氏は暗殺の指示を実行しなかったという。これは彼女にとって北朝鮮からの指示よりも暗殺対象者との関係のほうが重かったためだと考えることができる。ここから引き出せるのは、北朝鮮の工作活動を成功させないためには脱北者を排除するのではなく積極的に受け入れたほうがいい、ということだ。
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