6月18日、アメリカ国務省のライス長官がヘリテージ財団で「アメリカ合衆国のアジア政策」というタイトルの講演を行った。北朝鮮が近日中に核計画の申告書を提出すること、ブッシュ大統領はそれを受けて北朝鮮に対するテロ支援国家指定の解除と敵国通商法の適用停止の意向を議会に伝えることが明らかにされた。
講演は全体としてブッシュ政権のアジア政策を自賛するものだ。日本と韓国を共通の価値に基づく同盟者、ロシアと中国を共通の利害に基づく建設的パートナーと位置づけた上で、ブッシュ政権が各国との関係を改善してきたことを強調している。北朝鮮に関してもリビアの例を挙げながら「アメリカ合衆国には永遠の敵はいない」と語っている。
北朝鮮に関して語られたのは核問題ばかりだが、人権問題も少しだけ言及され、北朝鮮人権特使のレフコヴィッツを近いうちに東アジアに派遣することが明かされた。しかし拉致問題に関しては「日朝対話を手助けした」というだけで、テロ支援国家指定との関係は何も語られなかった。「アメリカ合衆国が人権問題で沈黙することはない」と宣言しているが、虚しい響きがある。テロの被害者が救われていないのに、なぜ核計画を申告しただけでテロ支援国家ではなくなるのか。
テロ支援国家指定の解除は目前に迫ってきた。しかし、以前にも述べてきたように、それは米朝友好の開始を意味するものではない。ライスも「我々は北朝鮮の体制の性質について何の幻想も持っていない」「北朝鮮を信頼せず、その行動を検証していく」と繰り返し強調している。この冷やかな関係が幸福な結末をもたらすことはありえない。クリントン政権時代の米朝枠組み合意が破綻したのと同じように、今回のプロセスもいつか必ず破綻する。ならず者国家の指導者とも無条件に会う、と言っているバラク・オバマがアメリカの大統領になったとしても変わらないだろう。
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