時事通信の報道によれば、米朝交渉にあたっている米国務省のソン・キム朝鮮部長が5月22日、「よど号」グループについて「北朝鮮が何らかの措置を近く講じる可能性がある」と述べた。はっきり書かれてはいないが、「何らかの措置」とはおそらく日本への引き渡しだろう。
日本の警察は、「よど号」グループの森順子と若林佐喜子を石岡亨さんと松木薫さんの拉致の実行犯、魚本公博を有本恵子さんの拉致の実行犯と見なし、国際手配している。この三人が日本側に引き渡されれば、日本政府は拉致事件に関して進展があったと認めるだろう。実行犯の引き渡しは間違いなく大きな成果と言える。日本政府は米国政府が北朝鮮に対するテロ支援国家指定を解除するのを容認し、さらに食糧援助にも参加するかもしれない。
しかし、中山恭子首相補佐官はこの報道に関して「拉致問題とは直接関係ない」とコメントし、高村正彦外相も「拉致問題の進展と認められるかどうかというと大変難しい」と述べている。意図がよくわからないコメントだ。実行犯と一緒に拉致被害者も返せ、と言いたいのだろうか。そもそも「よど号」グループの引き渡しは日本政府が北朝鮮政府と交渉すべき事柄だ。米国政府に頼るのは日本政府の無能ぶりを晒しているようなものだし、成果が上がりそうだという観測が出るとその意義を否定してみせるというのも勝手すぎる。
「よど号」グループの引き渡しが拉致被害者の帰還や拉致事件の解明につながるかどうかは確かに不明だ。グループは拉致事件に関して無実を主張している。日本に帰ってきても詭弁を弄して拉致事件への関与を否定しつづけるだろう。しかし、だからといって引き渡しが無意味なわけではない。
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