朝鮮民主主義研究センター

2008年5月 3日

再び迫ってきた食糧危機

北朝鮮の食糧危機に関し、4月30日にアメリカのピーターソン国際経済研究所がセミナーを開いた。そこでマーカス・ノーランド研究員が「あの国は10年前の飢饉の終わり以降において最も危険な状況にある」という見解を示した。近年の食糧供給は需要を上回っていたが、その差分が今はなくなっていること、そして食糧価格がインフレ率や国際的な食糧価格よりも急激に上昇していることが指摘されている。

ニュースリリースに付けられているグラフを見ると、昨年の夏頃から食糧価格が急上昇しはじめたことが分かる。韓国でNGO「グッドフレンズ」が飢饉の再来を警告し、ニュースサイトのデイリーNKが批判していた頃だ。デイリーNKは食糧価格が安定しているという事実を指摘してグッドフレンズの見解を否定しており、私はその批判が正しいと考えた。しかし現在、食糧価格が高騰していることは誰の目にも明らかになった。今回はデイリーNKも「食糧の価格は上がったが, 飢え死にするほどではない」という記事を掲載する程度で、状況の悪化そのものは否定していない。

先週の報道によれば、北朝鮮は資金があっても食糧を輸入できない状況に陥っている。中国が政策的に食糧輸出を制限しているためだ。これが今回の危機を引き起こした直接的な原因だろう。しかし昨年からの北朝鮮の市場統制政策が影響している可能性もある。いずれにせよ危機の原因は人為的なものであり、本格的な飢饉を防ぐことは今からでも十分可能だ。周辺諸国が六ヵ国協議のような枠組を作って(あるいは六ヵ国協議そのものを使って)対応するのが望ましい。

今週の北朝鮮(2008/04/26-2008/05/02)
投稿者 kazhik : 2008年5月 3日 20:34
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