朝鮮民主主義研究センター

2008年3月16日

変わらない人権状況、変わる政治状況

3月11日にアメリカの国務省が2007年度の人権報告書を発表した。先週の記事で取り上げた部分は結局以下の通りになった。

抑圧的な北朝鮮の体制は市民の生活のほとんど全ての側面を統制しつづけており、言論・報道・集会・結社の自由を否定し、移動の自由と労働者の権利を制限している。超法規的な殺人・失踪・恣意的拘束の報告が、政治囚についてのものも含め、孤立した国から流れ出しつづけている。何人かの強制送還された難民たちは厳しい処罰や拷問を受けたと言われた。公開処刑の報道も出続けている。

「抑圧的な」という表現はそのまま。「孤立した国」は、"the isolated country"から"the insular country"に変わり、国際的に孤立しているというニュアンスがわずかに弱まった。公開処刑の報道については「増加した」から「出続けている」へと変わった。対立点について足して二で割る妥協が成立したようだ。

今回の報道により、六ヵ国協議が進展すれば北朝鮮の人権状況に対する批判は弱まる、という可能性が改めて示された。人権報告書の記述がほとんど変わらなくても、記述された問題を政権が取り上げなくなってしまうかもしれない。それでは金正日政権が批判を圧力と感じることもなくなる。

金正日政権はこの報告書にまだ反応していない。しかし国連人権理事会で韓国が北朝鮮に対して人権状況を改善するよう求めたことに対しては汚い悪罵を返している。同じ理事会でのヴィティット・ムンタボン北朝鮮人権特別報告官による報告に対しても同様に反応した。人権状況をまったく改善していないことを自白したようなものだ。ブッシュ政権も六ヵ国協議の状況と関わりなく北朝鮮の人権状況を批判しつづけるべきだ。

今週の北朝鮮(2008/03/08-2008/03/14)
投稿者 kazhik : 2008年3月16日 12:09
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