朝鮮民主主義研究センター

2008年2月 9日

北朝鮮政策をめぐって民主労働党が分裂

韓国の民主労働党の分裂が決定的となった。

2月3日にソウルで開かれた臨時全党大会において、非常対策委員会が提出した改革案が否決された。親北朝鮮政策(従北主義)を清算しようとする改革案で、とりわけ「一心会」関係者、つまり1989年から北朝鮮のスパイとして活動していたとして1986年に逮捕された党幹部を除名することを求めていた。しかし多数を占める親北朝鮮派によって否決されてしまった。

この結果を受け、非常対策委員会のシム・サンジョン代表は翌日に非常対策委員会の総辞職を表明した。5日には魯会燦(ノ・フェチャン)議員が離党を宣言し、つづいて親北朝鮮政策に批判的な党員が次々に離党する事態となった。すでに趙承洙(チョ・スンス)元議員が臨時全党大会前の1日に離党して新党創設に乗り出している。これに合流する形で北朝鮮の現体制に批判的な勢力が結集する見込みだ。

もともと民主労働党には、民族主義の観点から親北朝鮮政策を支持する自主派(または民族解放派、NL派)と、社会主義の観点から北朝鮮の体制に批判的な平等派(または民衆民主派、PD派)があった。金大中、盧武鉉政権が対北朝鮮融和政策を進める中、民主労働党でも自主派の勢力が強まり、政府よりさらに親北朝鮮的な「従北主義」が支配していた。北朝鮮が核実験を強行しても反対できず、脱北者に対してもきわめて冷淡だった。

しかし昨年末の大統領選挙で敗北したことで改革が避けられなくなり、非常対策委員会がつくられた。代表となったシム・サンジョンは平等派出身で、北朝鮮政策の修正を中心として意欲的な党改革に乗り出すかに見えた。しかし結果は完敗だった。世論の支持を失っても改革できない民主労働党の命運は尽きたと言っていい。

平等派がつくる新しい左派政党に明るい展望があるわけではない。保守系の李明博政権の下で労働運動に対する弾圧は強まるだろう。新政党が保守派と違うどのような北朝鮮政策を打ち出すのかも不明だ。北朝鮮が核実験を強行しても分裂しなかったのに、大統領選挙で負けたら分裂するというのも無原則に感じられる。

とはいえ、新しい北朝鮮政策をもった新しい左派政党が現れれば、左は親北朝鮮で右は反北朝鮮、という硬直した政治状況に風穴が空くかもしれない。

今週の北朝鮮(2008/02/02-2008/02/08)
投稿者 kazhik : 2008年2月 9日 14:49
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