国際赤十字赤新月社連盟が昨年12月に発表した報告書"World Disasters Report"(世界災害報告書)によれば、最近10年間の災害の死亡者数が一番多かったのは北朝鮮で、45万人だったという。デイリーNKの記事が伝えた。
この報告書は毎年出されているもので、昨年12月の2007年版には"Focus on discrimination"(差別)という副題がついている。単なる統計集ではなく、毎年違うテーマを深く掘り下げているようだ。章の構成は以下の通り。
このあとに様々な統計資料が続いており、デイリーNKの記事が伝えた統計も入っている。
報告書は災害を自然の問題としてではなく社会の問題として捉える視点を示している。災害時にとくに大きな被害を受けるのはマイノリティや高齢者や女性だという事実に焦点を当てている。援助が本当に必要な人に届かない、軍に優先的に回されている、などという北朝鮮に関してよく指摘される問題は、この報告書が示している普遍的な枠組みによって捉えることができそうだ。
ところがデイリーNKの記事がこの報告書を読んで強調したのは<北朝鮮の死亡者数が一番多い>ということだけ。あまりにも視野が狭すぎる。記事は「北朝鮮政府は天文学的な外貨を偶像化事業に浪費して、飢えからのがれようと北朝鮮を脱出する住民たちを銃殺するなど、事実上金正日が犯した虐殺に近い」という脱北者の発言を紹介しており、飢餓を単なる自然災害とは見ない点で報告書と共通の認識を持っているのだから、性急に金正日を非難するのではなくもう少し問題を深めてほしかったところだ。
もう一つ気に留めておきたいのはこの報告書に出てくる北朝鮮の餓死者数だ。1995年から2002年までの餓死者数が60万人以上とされている(186ページ)。そのうち45万人が1997年以降のもの、ということになる。300万人以上、というグッドフレンズや黄ジャンヨプの数字は採用されていない。
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