北朝鮮の主要三紙(『労働新聞』『朝鮮人民軍』『青年前衛』)に2008年の新年共同社説が掲載された。『ネナラ』に要旨の日本語訳が掲載されている。
韓国の新聞は南北関係や核問題に関わる部分に注目しているが、私は経済政策に関わる部分を取り上げてみたいと思う。
今日、強盛大国建設の主要攻略目標は経済部門である。現段階における経済強国建設の基本方向は、人民経済の主体性をたえず強めるとともに、最新科学技術にもとづく現代化を実現し、自立的民族経済の優越性と生命力を全面的に強く発揮させることである。わが国の経済構造の特性を生かしながら人民経済を技術的に改造していく原則、最大限の実利をはかりながら人民に実質的な恩恵をほどこす原則、国内の源泉と可能性をことごとく引き出すことを基本としながら対外経済関係を発展させる原則を堅持して経済強国の建設を推進しなければならない。
これが総論の部分だ。三つの原則が掲げられている。人民経済を技術的に改造していく原則、人民に実質的な恩恵をほどこす原則、対外経済関係を発展させる原則。一番目と二番目に関してはこの総論に続いて各論が述べられている。一番目に関しては、大規模水力発電所の建設、石炭の増産、「朝鮮式の製鉄方法」の導入など。二番目に関しては、多収穫品種の栽培、大豆栽培、生活必需品の増産など。どういうわけか三番目に関しては各論がない。
昨年の共同社説では「今日の総進軍の主要課題は、人民生活の速やかな向上に第一義的な力をそそぐ一方、経済の現代化をめざす技術改造をおし進め、その潜在力を最大に活用することである」と述べられていた。今年の共同社説にある一番目と二番目の原則だけが掲げられていたわけだ。したがって「対外経済関係を発展させる原則」は今年はじめて掲げられた重要な原則ということになる。その内容が詳しく論じられていないのは不可解というしかない。まだ明確に開放政策を打ち出すに至っていない、ということかもしれない。昨年四月の最高人民会議では内閣副総理が「外国との経済技術的協力と合弁、合作を積極的に実現」という方針を示していたから、この共同社説は一歩後退のようにも見える。
対外開放については曖昧だが、改革についての方針は明確だ。「すべての経済活動を内閣に集中させ、その統一的な指揮のもとに手配しおし進める強い規律と秩序を確立しなければならない」と、経済に対する国家統制をますます強めようとする姿勢が示されている。そもそも「人民に実質的な恩恵をほどこす」という封建領主まがいの原則を掲げている政府は経済改革からは最も遠い。今年も市場経済を縮小させようとする措置は続きそうだ。
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