11月20日、北朝鮮の実情を伝える雑誌として『臨津江』が創刊された。記事を執筆するのは北朝鮮内部で活動するジャーナリスト10名で、隔月刊。英語版と日本語版も年内に発行される予定だという。石丸次郎氏が強力にサポートしているようで、アジアプレスが発行元になっている。
北朝鮮にはいかなる言論の自由もなく、政権の見解をそのまま伝える公式メディアがあるだけだ。外国のジャーナリストが北朝鮮国内で自由に取材活動を行い、市民の声を伝えることもない。しかし数年前から、公式メディアに現れる「模範的な」市民ではない、不平や不満を抱えた市民の声も伝わるようになってきていた。大量の脱北者が北朝鮮内部の情報をもたらし、中朝貿易の拡大とともに情報の流通も拡大したためだ。そのような情報をもっともよく集めているのがデイリーNKで、政治的な偏りがあるとはいえ、きわめて貴重なメディアになっている。
『臨津江』はそのデイリーNKよりさらに一歩進み、脱北者ではなく北朝鮮国内に住む人たちが主体になっている。北朝鮮の歴史で初めて、国家権力から独立して活動する市民のグループが現れたのだ。北朝鮮の歴史の決定的な転換と言っていい。
アジアプレスのサイトでは少し前から李ジュン氏が北朝鮮人ジャーナリストとして平壌の状況を中心にレポートを送ってきていた。もちろん今回の10名の中に入っている。彼は以前のインタビューの中で「今はまだ私一人ですが、私が火種になればいつかは北朝鮮も変わるでしょう」と語っていた。その思いがついに形になり、火種が火になったわけだ。
火をつけられた金正日政権は反撃に出るだろう。全力を挙げて10名のメンバーを逮捕しようとするに違いない。火が誰も消せないほど燃えひろがるまで、なんらかの形で応援したいものだ。
アフガン・イラク・北朝鮮と日本からのトラックバック(2007年11月27日 22:15)
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