アンドレイ・ランコフ氏が韓国の対北朝鮮支援について「北の政権改革開放の奇蹟はなし...'脱金時代'の準備を」というコラムを書いている。
これまでの韓国の対北朝鮮支援について、ランコフ氏は「北朝鮮の現体制を強化することで、南北間の大きな格差を更に拡大し、将来解決しなければならない北朝鮮の復旧問題を一層難しくしている」と厳しい評価を下す。しかし全てを否定するわけではなく、開城工業団地には肯定的な姿勢を示す。そこには人と人との交流があり、北朝鮮の労働者が外部の世界について知識を得て当局の宣伝が虚構だと知ることができるから、というのが理由だ。食糧支援のようなモノを与える援助ではなく、ヒトの交流が生まれる援助に力を入れていくべきだ、ということだ。また、北朝鮮の学生の海外留学に対する支援、道路や鉄道などのインフラ整備の支援などを統一後をにらんだ投資として提案している。
彼は以前にも「北朝鮮政権を崩壊させる5段階の方法」というコラムを書いており、北朝鮮向けのラジオ放送、脱北者の支援、北朝鮮の舞踊家や歌手の海外公演の支援などを提案していた。今回も趣旨は同じだ。河泰慶氏の「積極的包容論」とも重なる部分が大きい。
彼の提案は日本政府に対する提案としてもある程度通用するだろう。日朝が国交正常化すれば平壌宣言に従って巨額の経済協力が行われることになるが、それは必ずしも現在の体制を支えるものではなく、むしろ変える方向に作用するものになりうるということだ。
とはいえ、北朝鮮の現在の対外政策は先週紹介した表現を使えば「蚊帳つり式」開放政策だ。開城工業地区をはじめとする経済協力が北朝鮮の人民の意識を変えるとしても、それが体制の変化に結びつく水準に達するのは数年先、あるいは数十年先ではないだろうか。「人権」や「民主主義」による直接的な圧力のほうが早いように思える。
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