朝鮮民主主義研究センター

2007年8月26日

国家による労働者の売買は許されるか

デイリーNKの記事によれば、北朝鮮は現在2-3万人の労働者を国外に派遣して年間4-6千万ドルの外貨を稼いでいるという。

派遣先はロシア、クウェート、カタール、UAE、中国など。ロシアの場合、派遣労働者は最初に斡旋料として100ドルを支払い、毎日12時間以上働き、毎月200-300ドルの賃金を受け取るが、そこから「北朝鮮政府に納めるお金や保険料、宿泊費、幹部たちに貢ぐ賄賂など」が差し引かれ、手元に残るのは50ドル程度。この搾取に嫌気がさして逃げ出し、ロシア各地を放浪している労働者も2千人ほどいるという。

この「搾取率」が不当かどうか、判断するのは難しい。日本の常識では、給料の手取りを計算するときに宿泊費や賄賂を差し引くことはない。これを差し引かなければ北朝鮮労働者の手取りは50ドルより多いはずだ。保険料というのが何を指すのかもよくわからない。なんらかの場合に給付を受けることができる制度なら単なるマイナスではない。

問題はおそらく搾取率ではない。北朝鮮政府の独占的な事業として行われていることのほうが問題だ。逃げ出した者がいるということは、自由に帰国する権利がないのだろう。単なる出稼ぎとは違う、国家ぐるみの奴隷売買と言っていい実態があるのではないか。受け入れているロシア、中国、中東諸国の責任も大きい。実態をさらに調査し、拉致や脱北者の強制送還と並ぶ重大な人権侵害として厳しく追及していくべきではないだろうか。

今週の北朝鮮(2007/08/18-2007/08/24)
投稿者 kazhik : 2007年8月26日 16:04
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