アメリカのジェイ・レフコウィッツ北朝鮮人権特使がこの一年間の活動について議会に報告書を提出した。国際的合意の形成、難民、改革の促進、という三つの節に分かれている。
国際的合意の形成に関しては、昨年10月に国連で北朝鮮人権決議が採択されたこと、韓国政府が棄権せず賛成したことが成果として挙げられている。しかしレフコウィッツの開城訪問は無期延期され、人権問題に関する米朝対話も始まっていないという。
難民に関しては、アメリカはこれまで30名を受け入れた。今後も上限を定めず積極的に受け入れていくという。しかしそのためには、複数の省庁により難民の審査が行われる制度の改善や、難民を「不法経済移民」と見なしている中国との交渉が必要となる。
改革の促進に関しては主に語られているのは北朝鮮向けのラジオ放送。Voice of AmericaとRadio Free Asiaの今年度の予算は460万ドル、来年度は800万ドルとのことだ。この予算増によりRadio Free Asiaは従来の短波に加えて中波での放送も始める。また、韓国や日本での民間団体による放送も援助しているという。
このように整理されてみると、レフコウィッツの活動には大きな欠落があることがわかる。拉致問題だ。明らかに人権問題なのに、この報告にはほとんど言及がない。「金正日政権は過去に拉致した外国人について説明責任を果たしていない」と一言述べられているだけだ。強制収容所に関しても、ただ一般的に問題を指摘しているだけで、その廃止へ向けてどんな具体的な行動を取ったかは語られていない。
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