凍結されていたマカオのバンコ・デルタ・アジア(BDA)の北朝鮮資金がようやく返還された。朝鮮日報の報道によれば、返還ルートは「BDA→マカオ金融管理局→マカオのバンコ・ナシオナル・ウルトラマリノ→ニューヨーク連邦準備銀行→ロシア中央銀行→ロシア極東商業銀行」。ロシア極東商業銀行に北朝鮮の口座があるという。
北朝鮮資金は当初の米朝合意では中国銀行が中継して返還する予定だった。しかし中国銀行が「不法資金は受け取れない」として拒否した。中国銀行の代わりもなかなか見つからなかった。北朝鮮資金を受け入れた銀行は、六ヶ国協議が破綻してアメリカの金融制裁が再開された場合、BDAと同じ運命を辿るおそれがあるからだ。
もともと2月13日の合意には凍結された資金の返還という項目はなかった。北朝鮮側が実施すべき項目は寧辺の核施設の停止・封印で、他の六ヶ国協議参加国が実施すべき項目は重油5万トン相当のエネルギー支援だった。ところが北朝鮮側は凍結された資金の返還が全ての前提という姿勢を取り、各国もそれに応じた。
BDA問題がこじれたのは、北朝鮮資金を受け入れる銀行が見つからなかったためだ。しかし核施設の停止・封印や重油の支援に関してはそのような障害はない。北朝鮮は「資金送金が実現すれば直ちに2.13合意による核施設稼働中止の措置を取る用意がある」と言明しており、重油は融和政策をとる韓国が送ることになっている。2月13日に合意された初期措置はようやく完了する見通しが立った。
しかし初期措置は核問題の解決にとって始まりにすぎない。ここでつまづいているようでは先の見通しは暗い。
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