朝鮮民主主義研究センター

2007年5月13日

合弁企業社長が「医薬品支援は北朝鮮製の医薬品で」と提案

北朝鮮とスイスの合弁で設立された製薬会社PyongSu Pharmaの社長が、国際機関による医薬品の支援は北朝鮮製の医薬品で行うべきだ、と述べた。そのほうが安上がりで、北朝鮮の製薬業界の水準向上や雇用創出にもつながる、とのことだ。この社長は3/30にThe Korea Heraldのインタビューでも同じ趣旨のことを語っている。ただ援助するだけではそれに依存する文化を作り出してしまうおそれがある、ただ魚を与えるのではなく釣竿を与えて釣り方を教えるべきだ、と主張している。

これに関し、「ウィーン発 『コンフィデンシャル』」というブログがPyongSu Pharmaの初代社長だったEckhard Hoffmannをパキスタンの「核開発の父」カーン博士になぞらえている。「アブドラ・カディール・カーン博士が北朝鮮にウラン濃縮活動の機材や情報を提供したように、ホフマン博士は平壌にドイツ製薬メーカーの最新情報を提供した」とのことだ。また、国連工業開発機関(UNIDO)のドイツ人科学者の「北朝鮮製のアスピリンは聞いているが、自分は訪朝の度にバイエル社(ドイツ)のアスピリンを持参していく。北朝鮮で世界に通用できるものはまだ人参茶だけではないか」という声を紹介している。意図がよくわからない記事だ。核兵器と医薬品に何の共通点があるというのか。ホフマンが最新の医薬品開発を北朝鮮に持ち込んだとしても、そのことで誰かの生命が脅かされたわけではない。まったく逆だ。また、PyongSu Pharmaの社長は北朝鮮の製薬業界の水準を引き上げる方向での援助を訴えているのだから、現在の北朝鮮製アスピリンがバイエル社のアスピリンより劣っていることを指摘するのは無意味だ。

とはいえ、すでにヨーロッパの企業との合弁会社があり、最新の技術が移転されているのであれば、北朝鮮の製薬業界は「釣竿」を持っているし「釣り方」も知っていることになる。援助のやり方を変えるというより、援助自体を中止できる時期に来ているように思える。

今週の北朝鮮(2007/05/05-2007/05/11)
投稿者 kazhik : 2007年5月13日 21:01
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