朝鮮民主主義研究センター

2007年4月21日

最高人民会議開催、科学技術重視の予算と開放政策

4月11日に平壌で最高人民会議第11期第5回会議が開かれた。議題は例年通り三つで、「朝鮮民主主義人民共和国内閣の2006年の活動状況と2007年の課題について」、「朝鮮民主主義人民共和国2006年国家予算執行の決算と2007年国家予算について」、「組織問題」。

予算案は歳入5.9%増、歳出3.3%増で、科学技術部門への支出を前年比で60.3%増やしているのが大きな特徴となっている。昨年の最高人民会議では、科学技術発展の推進がうたわれながら予算はあまり増えていなかった。一年遅れの予算増に見える。ただし、昨年の核実験が科学研究部門の名で行われたことを考えるなら、この予算増が核開発の予算増を意味している可能性もある。

国家予算の報告によれば、「企業所純所得の2%を自体の科学技術発展活動費にまわす新しい措置」が執行される。これは昨年の最高人民会議で言われていた「科学技術と経済の統一的指導」の継続であろう。昨年度は指導機関における「科学技術研究事業と経済指導管理事業の有機的結合」が課題とされたのに対し、今年は各企業での取り組みが課題になっているのではないか。

内閣の報告をみると、対外経済に関して「外国との経済技術的協力と合弁、合作を積極的に実現」、経済管理に関して「経済管理問題を現実性のあるものに解決」「勤労者の創造的能力を最大限発揮させる問題などの解決」といった表現がある。前者に関しては開放政策が明確に打ち出されたといえる。しかし後者については問題解決の必要が指摘されているだけで、改革への具体的な方向性は出ていない。

とはいえ、開放政策によって外国企業との合弁を増やそうとするなら経済改革も進める以外ない。外国企業による北朝鮮労働者の自由な雇用、土地の自由な取得、生産財および消費財の自由な取引。これらのものがなければ合弁企業は成功しないだろう。たとえ北朝鮮が想定する合弁相手が中国企業だけであったとしても同じことだ。

第三議題の組織問題とは朴奉珠首相の更迭である。1月にエネルギー政策をめぐって内閣と国防委員会が対立していることが伝えられていた。私は半信半疑だったのだが、事実だったようだ。ただし、国防委員会が勝利して改革開放の可能性が後退した、とは言えない。むしろ逆に開放政策が打ち出された。首相更迭の意味を理解するためにはもう少し推移を見ていく必要がある。

今週の北朝鮮(2007/04/14-2007/04/20)
投稿者 kazhik : 2007年4月21日 08:18
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