今年に入り、北朝鮮は電力生産に力を入れているようだ。
1月、2月と続けて金正日による発電所での現地指導が行われた。1月の現地指導を報じた記事では、昨年は発電所関連の現地指導が4回行われたという。三ヶ月に一回のペースだったものが毎月一回のペースになったことになる。今週は漁郎川第2号発電所の建設開始、中朝国境に電力線架設といったニュースが出てきている。
昨年春には金桂冠外務次官が「わが国のエネルギー政策は石炭中心だったが、石炭は枯渇しつつある。水力資源も限界があり、現在は石油もない」と語っていた。しかし1月の現地指導で金正日は「朝鮮には水資源が豊富なことから、国内で増える電力需要を円満に解決できる近道は水力発電所の建設だ」と発言したという。限界があるはずの水力資源を使うしかないのが現在の北朝鮮の状況なのだろう。
北朝鮮の電力不足は1980年代からのものだ。李佑泓氏が1990年に出した『暗愚の共和国』が具体的に実態を指摘し、その原因は政策の失敗にあることを明らかにした。水力発電所については全国の山を段々畑に変える政策が問題とされた。(1) 段々畑をつくる際に樹木が伐採されたため、雨が降ると土砂が河川に流れ込むようになった、(2) 流れ込んだ土砂によってダムの底が上がり、水力発電所の能力が低下することになった、との指摘だった。
李佑泓氏が指摘した問題は解決されたのだろうか。山から川に流れ込んだ土砂が水力発電所の能力を低下させたのだから、流入した土砂を浚渫し、再び土砂を流入させないための対策を取らなければならない。新しい発電所の建設は問題の解決とは言いがたい。
李佑泓氏は送電や配電の設備がひどいところからくる漏電の問題も指摘していた。この点に関しては六ヶ国協議の場で北朝鮮の外交官が内情を明かしたようだ。今後、韓国あたりがインフラ整備の援助に乗り出すかもしれない。
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