2月13日、北京で開かれていた六ヵ国協議が合意文書を採択した。2005年9月19日に採択された共同声明の履行に関するものだ。60日以内に取られる措置として、北朝鮮が寧辺の核施設を停止および封印し、IAEAの職員を復帰させることと、北朝鮮以外の五ヵ国が重油5万トン相当のエネルギー支援を行うことが盛りこまれた。重油5万トンは100万トンの一部であり、残りの95万トンは「すべての核計画についての完全な申告の提出並びに黒鉛減速炉及び再処理工場を含むすべての既存の核施設の無能力化」と引き換えに提供されることになっている。
2005年9月19日の共同声明は、直後に北朝鮮が核の放棄は軽水炉の提供と引き換えだと主張したことで暗礁に乗り上げた。しかし今回の合意文書は軽水炉については何も記されていない。核の放棄に対する見返りは重油の提供だけだ。一方、昨年10月の北朝鮮による核実験についての言及もない。共同声明をあからさまに踏みにじる行為だったにもかかわらず、何事もなかったかのように共同声明の履行が論じられている。
今回の合意は最初の60日間の措置だけは実施されるだろう。しかし核の放棄という肝心の問題はその次の段階に先送りされており、議論はこれからだ。合意が成立したこと自体にのみ意味がある合意だと言える。1994年の米朝枠組み合意以来、北朝鮮の核問題は常に同じことの繰り返しだ。関係国は問題の先送りについてのみ合意に達し、問題が本当に解決されることは決してない。
この合意を期に韓国が巨額の支援を開始する見込みだ。最初の重油5万トンも韓国が提供するという。この面からは、今回の合意は韓国の宥和政策を各国が認めたものと考えることができる。
合意の背景にあるのはブッシュ政権の転換だ。朝鮮日報の記事によれば、ブッシュは合意の細かい部分まで報告を受け、承認していたという。イラクの状況がますます泥沼化し、昨年秋の中間選挙で民主党が勝利したことで、ネオコン派は対話路線に横ヤリを入れるだけの力を持てなくなった。ネオコン派がブッシュを批判していることに今の状況がよく表れている。
安倍首相は「拉致問題に進展がなければ支援はしない」と表明した。一見したところ今回の合意に同調しない姿勢を示したかのようだが、必ずしもそうとは言えない。拉致問題に進展がなければ支援しない、という表現は、拉致問題に進展があれば支援する、という意味にも取れる。小泉内閣は第二回訪朝の際、拉致被害者の家族の帰国と引き換えに食糧援助を行った。安倍内閣も同様の「身代金」を支払うことになるかもしれない。本当にそうなるかどうかは六ヵ国協議の状況による。
sakochiです。トラックバックありがとうございます。
うちのブログでも書きましたが、もはや6カ国協議にはあまり期待できないと思います。どうやったら北朝鮮を民主化できるか、そういう方向性で考えていくべきでしょう。これからもよろしくお願いします。
sakochiのコメント(2007年2月18日 23:30)
sakochiさん、コメントありがとうございます。
北朝鮮の民主化こそが問題の解決、という点は私もまったく同じ意見です。六ヵ国協議には問題の先送り以外の効果はなく、問題の先送りとは北朝鮮の核開発の継続です。核実験が行われたにもかかわらず六ヵ国協議が続いているのは、一歩前進よりは行き詰まりを意味していると思います。他の方法が見つからないのでしょう。
kazhikのコメント(2007年2月20日 07:29)
とんみんくんからのトラックバック(2007年2月21日 01:29)
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