1月18日、毎日新聞がエネルギー政策をめぐる金正日政権の内部事情を伝える記事を掲載した。昨年春に朱東一電気石炭工業相が「わが国の電力事情は非常に苦しい。いっそのこと将軍さまの招待所の電気を引き戻せばどうか」と発言して更迭。10月には朴奉珠首相が「市民が暖房を使えなくなる」という理由で中国への石炭の輸出を控えるよう要請。内閣は輸出停止を決めたが、その後国防委員会の要求で決定が覆され、朴首相は表向きの活動を自粛しているという。
情報源はおそらく脱北者だろう。北朝鮮のエネルギー事情は依然として厳しく、内閣はその改善に努力しているが、軍部がその努力に水を差している、と言いたいように見える。
北朝鮮は「先軍政治」を標榜し、国防委員長の金正日が最高権力者になっている。文民統制とは逆の原則が支配している。内閣の決定を国防委員会が覆すことは十分ありうる。軍はもともと経済的には無駄な存在でしかないので、軍部が発言力を持てば経済に責任を持つ部署と対立することになるのは自然なことだ。この記事が伝えるような事実があってもおかしくない。
ただし、今年の北朝鮮の新年共同社説には「経済強国建設は現時期、我々の革命と社会発展の切迫した要求であり、強盛大国の面貌を全面的に備えるための誇らしい歴史的偉業である。我々は経済問題を解決することに国家的な力を集中させ、先軍朝鮮を繁栄する人民の楽園として花咲かせなければならない」という文言がある。昨年の新年共同社説よりも経済重視の姿勢が鮮明になっている。したがって、今年も国防委員会が内閣の経済運営を妨げるだろう、とは必ずしも言えない。
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