再開された六ヵ国協議は何の成果もなく休会となった。誰もが予想していた通りの展開だった。なぜ再開されたのか不思議なほどだ。
今回の協議に関してはminow175氏が「限界を露呈したタカ派的関与策。」という記事を書いている。ブッシュ政権の北朝鮮政策をタカ派的関与政策と特徴づけた上で、その本質的限界によって六ヵ国協議は難航している、と論じたものだ。タカ派の最後の切札となる戦争は不可能であり、中国が北朝鮮を見捨てることもない、したがってタカ派的関与政策は成果を生まない、という。
六ヵ国協議には本質的限界がある、という点では私も彼と同意見だ。しかし細かい部分でいくつか異論を書いておきたい。
第一に、ブッシュ政権の北朝鮮政策はタカ派的関与政策、と言える根拠はあまりない。これはブッシュ政権で国家安全保障会議のアジア部長を務めているビクター・チャが政権に入る前に提唱した政策で、当面は「関与」、それが限界に達したら「懲罰」を主張するものだ。以前彼の著書を紹介したことがある。彼はブッシュ政権の要職を占めているが、北朝鮮政策を取り仕切る立場にはない。春原剛氏の『米朝対立』や、船橋洋一氏の『ザ・ペニンシュラ・クエスチョン』を読むと、アメリカの北朝鮮政策は長期的な戦略に基づいて進められているのではないことがよくわかる。関与政策を主張する勢力もそれに反対する勢力もいて、その時々の力関係によってどちらかに偏った政策が打ち出されているだけだ。ブッシュの真の狙いは北朝鮮の体制崩壊、などと考えることはできない。
第二に、核実験の直後にも書いたが、核実験によって韓国の融和政策や中国が主導する六ヵ国協議の破綻も明白になった。韓国政府がいくら援助しても北朝鮮政府は変わらなかったし、六ヵ国協議は北朝鮮に核開発を止めさせることができなかった。アメリカの政策が「限界を露呈」したことだけをあげつらうのはバランスを欠いている。
いま批判されるべきなのはアメリカの北朝鮮政策ではなく、誰もが無意味だと知っている六ヵ国協議であり、金正日政権の存続を前提とする全ての北朝鮮政策ではないか。
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