朝鮮民主主義研究センター

2006年7月15日

目クソ鼻クソの日韓対立、しかし国連安保理は対北朝鮮非難決議へ

北朝鮮のミサイル試射に関連し、日本の閣僚から「敵基地攻撃論」が飛び出した。

額賀福志郎防衛庁長官は9日、記者団に対し、北朝鮮の弾道ミサイル連続発射を踏まえ、現在自衛隊が保有していない発射基地などへの敵基地攻撃能力について「独立国家として、一定の枠組みの中で、最低限のものを持つという考え方は当然だ」と述べ、憲法の範囲内で可能な装備を検討すべきだとの考えを示した。

ただ「自民党、与党内での合意が必要だ」とも述べ、当面は自民、公明両党内の議論の進展を待つ意向を明らかにした。

これに関連し麻生太郎外相は同日のNHK番組で「(核が)ミサイルにくっついて日本に向けられているのであれば、被害を受けるまで何もしないわけにいかない」と述べ、一定の条件の下で北朝鮮のミサイル基地攻撃は自衛権行使の範囲内との見解を示した。

額賀氏は同日のフジテレビ番組で敵基地攻撃に関し「敵国が確実に日本を狙って攻撃的手段を持ち、ピストルの引き金に手をかけたようなときは、日本を守るため(攻撃の)判断が許されると解釈される」と述べた。(産経新聞、7/9)

この発言は韓国の盧武鉉大統領を元気づけた。ミサイル試射で融和政策がいきづまり、沈黙を余儀なくされていた盧武鉉は、この発言を「日本が侵略主義的性向を表した」と批判。日本が主導している安保理の対北朝鮮制裁決議案にも反対を表明した。

そもそも北朝鮮はミサイルを試射したにすぎない。日本やアメリカに対して宣戦布告したわけではなく、ミサイルで死傷者が出たわけでもない。たかがその程度のことで大ハシャギし、北朝鮮を軍事攻撃する可能性まで議論するのは正気を失った対応としか言いようがない。一方、北朝鮮がミサイルを試射しても何も言わないのに、日本の過剰反応を「侵略主義」とまで非難するのもバランスを欠いている。まるで目クソ鼻クソの展開だ。

とはいえ、日本政府は国連で望み通りのものを得られそうな状況になってきた。日本が提出した対北朝鮮制裁決議案は中国やロシアに反対されているが、その中国とロシアは独自に非難決議案を提出した。両国が率先して北朝鮮を非難するのは画期的な事態だ。韓国といえども同調せざるをえないだろうから、北朝鮮は完全に孤立する。野次馬的に言うなら、非難決議が成立した場合に北朝鮮がどう反応するか見ものだ。

今回のミサイル試射に関してはいくつかの市民団体が声明を出している。ミサイル試射と制裁の双方を批判するものがほとんどだが、ミサイル試射と制裁のどちらを強く批判するかでニュアンスの違いが出ている。日米にすべての責任があるかのように言いたてる日韓ネットの声明、日米のミサイル防衛論を警戒する核とミサイル防衛にNO!キャンペーンの声明立川自衛隊監視テント村の声明、北朝鮮に抗議しつつ対話による問題解決を訴えるグリーンピース・ジャパンの声明ピースボートの声明など。私は北朝鮮のミサイル試射を問題と考えないのでいずれの声明とも見解が異なるが、ピースボートの声明が意外にマトモだと感じた。

今週の北朝鮮(2006/07/08-2006/07/14)
投稿者 kazhik : 2006年7月15日 12:36
コメント&トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://asiavoice.net/mt/mt-tb.cgi/198

コメントする
(必須)


(必須:公開したくない場合は下のURLも入力してください)





名前、アドレスを登録しますか?