7月5日、北朝鮮がミサイルの発射実験を行った。韓国を射程におさめるスカッド、日本を射程におさめるノドン、アラスカまで届くテポドン2を含む合計7発。すべて日本海のロシア沿岸に落下した。テポドン2はハワイ沖に向けられていたが失敗した、と分析されている。
1998年の時とは異なり、北朝鮮政府は今回は「ミサイルではなくて人工衛星だ」と言い繕ってはいない。軍事訓練の一環だ、と正面から主張している。
日本政府は即座に声明を出して北朝鮮を非難し、経済制裁を発表した。さらに国連安保理で北朝鮮制裁決議を通そうとしている。融和政策の失敗が明白になり、バツの悪い韓国の盧武鉉大統領は沈黙を守っている。
二週間前に書いた通り、私は北朝鮮のミサイル試射がそれ自体として問題だとは考えない。軍事訓練の一環だ、という北朝鮮の主張は妥当なものだ。声高に非難し、制裁へと突き進むのは度を越している。
これまでは経済制裁は拉致問題と関連して主張されることが多かった。先日成立した北朝鮮人権法でも、拉致をはじめとする人権侵害が改まらなければ経済制裁する、と規定されていた。今回決まった経済制裁はこの文脈によるものではない。人権問題はミサイルの陰に隠れる形になった。日本政府は拉致問題解決のためのカードを一枚捨ててしまったことになる。
とはいえ、経済制裁が何の成果ももたらさないことは確かだ。現行法の厳格な運用、船舶油濁損害賠償保障法の改正などの影響により、ここ数年で日朝貿易は大幅に縮小している。事実上の経済制裁が行われてきた、と言っていい状況だ。しかし北朝鮮は何も変わらなかった。今回の経済制裁も同様の結果に終わるだろう。
北朝鮮に関わる問題は北朝鮮の体制が変わらなければ解決しない。援助であれ制裁であれ、現在の体制を前提とした政策は意味がない。
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