北朝鮮の金桂冠外務次官が来日中の4/9に「わが国のエネルギー政策は石炭中心だったが、石炭は枯渇しつつある。水力資源も限界があり、現在は石油もない」「わが政府のエネルギー政策の基本は核エネルギー(原子力)だ。これなしには(エネルギー供給の)方法がなく、未来もない」と演説したという。
先週のエントリで最高人民会議の報告を取り上げた際、私はエネルギー政策に関連して原子力発電への言及がないことに疑問を述べた。あらためて引用すると、そこでは「国の燃料、動力資源を大々的に開発し、現存発電所の技術改造を推し進め、風力と生物質エネルギーなど再生エネルギー利用技術を積極的に研究、開発しつつ先進省エネ技術を広く導入し、エネルギー管理の科学化を実現すべきである」とされていた。
一見したところ、両者は違うことを言っているように見える。一体どういうことなのだろうか。
最高人民会議で語られたのは今年度の予算で、金桂冠が語ったのは長期的な政策、と考えるべきなのか。しかし、長期的な政策があるなら今年度の予算もあるはずだ。1994年に米朝枠組み合意によって凍結された黒鉛減速炉は2002年に再開されている。今年度の予算に関して何も言及がないのはやはり不自然だ。
昨年9月の六ヵ国協議での共同声明は北朝鮮が原子力を平和利用する権利を実質的に認め、将来的に軽水炉を提供する可能性にも言及した。したがって、外交的には「わが政府のエネルギー政策の基本は核エネルギーだ」と言い、軽水炉を要求しつづける必要がある。しかし、おそらく実際のエネルギー政策は軽水炉を受け取れないことを前提にして進められているのだろう。軽水炉の提供が実現する可能性はかぎりなくゼロに近いのだから、そうするのが合理的だ。
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