朝鮮民主主義研究センター

2006年4月29日

経済回復を反映した北朝鮮の今年度予算

4月11日に平壌で最高人民会議第11期第4回会議が開かれた。議題は3つあり、それぞれについて朝鮮新報に報告が掲載されている。

昨年の最高人民会議第11期第3回会議が農業予算を約30パーセント増やしたのに続き、今年も農業予算は12.2パーセントの増加。全体の予算規模は、昨年が歳入15.1パーセント増、歳出11.4パーセント増だったのに対し、今年は歳入7.1パーセント増、歳出3.5パーセント増となる。基本方針は変わらないが、予算の配分や規模の拡大は穏やかなものになっている。

第三議題が科学技術になっていて、農業から科学技術へと政策の重点が移ってきたことがうかがわれる。農業への重点的予算配分は食糧事情を改善する短期的政策だが、科学技術は中長期的な発展に寄与するものだ。北朝鮮経済が回復してきたために中長期的な政策を議論できるようになったのだろう。ただ、科学技術発展事業費の支出は3.1パーセント増で、予算全体の伸びと変わらない。よくわからないところだ。別の名目で予算が増えているのだろうか。

第三議題の報告で興味を引かれるのはエネルギー技術分野に言及している部分だ。「国の燃料、動力資源を大々的に開発し、現存発電所の技術改造を推し進め、風力と生物質エネルギーなど再生エネルギー利用技術を積極的に研究、開発しつつ先進省エネ技術を広く導入し、エネルギー管理の科学化を実現すべきである」とのことで、原子力発電への言及がない。

科学技術が特別に第三議題として取り上げられた理由は不明だが、「科学技術と経済の統一的指導」を呼びかけている部分がヒントになりそうだ。科学技術行政と経済行政が従来は別々になっていて、混乱が生じたのではないだろうか。

聯合ニュースの報道によれば、韓国統一部の次官はこの最高人民会議を「実利保障の原則や経済管理の改善、対外経済協力などを強調したことで、経済改革と開放の持続的な推進意志を示唆した」と評価したという。しかし、三つの議題の報告は経済改革に関して何も語っていないし、開放に関しては海外との経済協力や技術交流が推奨されている程度だ。「改革開放の継続を示唆」と言えるような内容ではない。

今週の北朝鮮(2006/04/22-2006/04/28)
投稿者 kazhik : 2006年4月29日 14:40
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