朝鮮民主主義研究センター

2006年2月25日

対北朝鮮人道援助の研究

地球に乾杯!NGOというサイトのブログで、北朝鮮への人道援助を研究している人が連載しているのを見つけた。米国ワシントンDC在住の杉原ひろみさんで、最近のエントリは北朝鮮の人道・開発援助の特異性(1)北朝鮮の人道開発援助の特異性(2)

杉原さんは北朝鮮への援助の特異性を4つ挙げている。

  1. 北朝鮮には自由がなく、援助活動が強く制約されている。
  2. 農民や労働者と自由に会話することができないため、開発援助への移行が難しい。
  3. 援助が政治的に利用される、難民支援か国内での支援かの選択を迫られる、独裁政権を支援していると非難される、といった問題が一度に現われている。
  4. 国際政治で主流の「安全保障化のパラダイム(Securitization Paradigm)」では北朝鮮の人道政策分析ができない

第一点から第三点は北朝鮮の現体制の問題を指摘するものだ。第二点は説明がちょっと不十分なので補足が必要かもしれない。開発援助が援助する側からの一方的な押しつけにならないためには現地住民の参加が決定的に重要、という開発援助の常識に従えない点を指摘しているのだろうと思う。第四点もよくわからないが、言及されているヘイゼル・スミス氏についてはハンクネット・ジャパンが論文を翻訳したことがある(「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)における人道的ジレンマを超えて」「北朝鮮についての情報の改善」)。北朝鮮の体制に批判的な観点からの分析には誤りが多いことを指摘する内容だ。

杉原さんの問題意識は「米国政府とNGOの対北朝鮮人道援助」を研究し始める訳というエントリに述べられている。現場レベルではなく、国際政治のレベルで人道援助を考察するというスタンスのようだ。興味深いものであり、今後のコラムに期待したい。

今週の北朝鮮(2006/02/18-2006/02/24)
投稿者 kazhik : 2006年2月25日 13:15
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