朝鮮民主主義研究センター

2005年10月29日

北朝鮮で食糧配給が正常化

北朝鮮で食糧配給が正常化したという。農業も豊作で、穀物の収穫量も480万トンに達すると予想されている。食糧危機はほぼ克服されつつあるとみてよさそうだ。

食糧危機の克服自体は喜ばしいことに違いない。しかし食糧配給の正常化が何を意味するのかは慎重に考える必要がある。国家が食糧を配給するためには、それだけの食糧を農民から徴収しなければならない。配給の正常化は徴収の強化でもあるわけだ。報道がないので実際の状況は分からないが、配給の正常化は農業生産にマイナスの影響を与えるのではないか。

外国の援助機関の撤退が求められていることも手放しでは喜べない。以前のエントリでも書いたが、北朝鮮当局が援助機関の撤退を求めたのは援助の必要がなくなったからというよりもモニタリングをやめさせたいからだ。復活する配給制度は援助機関がカバーしている人々に対しても十分に機能するのかどうか、懸念がある。

人権状況の観点から考えると懸念はさらに深まる。配給の正常化は国家権力の強化を意味し、外国の援助機関の撤退は国家権力に対する監視が弱まることを意味するからだ。EU諸国がこの点で懸念を深め、国連総会に決議案を出そうとしているのは当然と言える。

今週の北朝鮮(2005/10/22-2005/10/28)
投稿者 kazhik : 2005年10月29日 16:15
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