朝鮮民主主義研究センター

2005年5月14日

緊急援助の資金が91パーセント不足

5/12付でユニセフが北朝鮮への人道援助についてのレポートを出した。緊急援助のための資金が4月の時点で91パーセント足りないという。具体的な以下の内訳の通り。

部門
目標 (US$)
提供された額 (US$)
% 充足率
不足額 (US$)
女性と子どものための栄養食品
2,962,400
0
0
2,962,400
予防接種プログラム
1,534,400
658,083
43
876,317
栄養失調児のための基本的医薬品と食糧
4,540,260
80,248
2
4,460,012
母性保護
1,413,440
552,000
39
861,440
水質衛生
5,554,500
0
0
5,554,500
教育
900,000
288,940
32
611,060
合計
16,905,000
1,579,271
9
15,325,729

優先順位をつけてとくに必要なものを挙げた表が以下。

プロジェクト
受益者/地域
必要額(US$)
1. 栄養失調児のための基本的医薬品と食糧- 8地域1,200万人
- 3地方1都市の地方病院にいる子どもと妊婦
1,100,000 (重要な薬品)
2. 母性保護5地域18万人の妊婦500,000 (分娩設備、栄養補給、安全分娩キット)
3. 予防接種プログラム- 47万人の1歳未満の子ども
- 48万人の妊婦
- 全国
400,000 (ワクチンとその関連設備)
4. 水質衛生数地域15万人への安全な水の供給300,000 (水道設備の再建)
5. 教育もっとも弱い地域(北東部)における60万人の少年少女および全国の孤児150,000 (教科書と基本的な教材)

この表からは、栄養失調児が放置されている、出産のための設備がない、といった北朝鮮の状況が浮かびあがってくる。これまでに資金を提供したのはフィンランド、イギリス、スウェーデン、という記述もある。日本を含め、周辺国はまったく動いていないようだ。ユニセフの活動に関する報告だけで人道援助全体の状況がわかるわけではないが。

今週の北朝鮮(2005/04/30-2005/05/06)
投稿者 kazhik : 2005年5月14日 11:40
コメント&トラックバック

 『北朝鮮外交の真実』の原田武夫氏が、昨日(15日)サンプロに出演しました。北朝鮮外交で原田氏が何をしたかという田原総一郎氏の数回の問いに、外務省改革にテーマを逸らし、最後まで答えることがてきなかった。氏は『月刊現代』五月号に手記を発表したそうで、そこでも氏は、日本側には相手の説明を突き崩せるだけの情報が皆無に等しかったと言い訳をしている。(毎日新聞 http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/iwami/sunday/news/20050413org00m010011000c.html
 「外務省の役割は外交」。私もそう思います。原田氏の露出部分からは北朝鮮担当班長が、日朝関係をどう導こうとするのか、皆目不明です。05月01日のエントリのほうが、毎日より正しい評価のように思います。

 韓国では、肥料援助について意見が割れているようです。15割り増しの要求があったりしますが、肥料援助量と収穫量の相関について報告を見たことがありません。何かご存じですか。中国に肥料支援を拒否され北朝鮮事情が差し迫っているというし(「北朝鮮へ肥料を送るべきか」)、大量の要求は北朝鮮の意図がなにか測りかねます。

基本姿勢に賛同のコメント(2005年5月16日 09:16)

連続投稿失礼します。
 北朝鮮で必要な肥料の量を少し探してみました。ハンクネット・ジャパンという組織がどう言うものか知りませんが、「北朝鮮の食糧難の現状」(ハンクネット・ジャパン http://www.hanknet-japan.org/food_shortage-present_state_ver5.htm )というリポートがヒットしました。
 リポートによれば、1989年で66万トンくらいを自給していたようです(図2北朝鮮の肥料投入)。これ以前のデータはありませんが、この時期はスポーツの祭典など南と競い合っていた直後で、絶頂期ではないでしょうか。また、図2の1998年のレベルから12万〜20万トンは最低でも自給できそうです。もし、肥料要求50万トンが不足量なら、現状は最低水準にあるということでしょうか。原因は、このリポートの説明に従えば、設備の老朽化、原料の不足、燃料の不足でしょう。
 北朝鮮の自給できる農業の現状(灌漑整備、電化、肥料・殺虫剤・除草剤、機械化)は、WFPの想像を超えて悪化しいてるのではないかと思うのです。

基本姿勢に賛同のコメント(2005年5月16日 16:27)

80年代の統計は北朝鮮当局が一方的に発表しただけのものなので、ぜんぜん当てになりません。90年代に入り、国際機関が援助に入ってからの統計は、国際機関のチェックが入っているのである程度信頼できます。

といっても、援助機関は援助を継続する必要を訴えるために実状を厳しく捉えがちな面があります。今回の表でも、教科書が緊急に必要なもののリストに入ってますね。勉強できなくて死ぬ子どもはいないと思うのですが(笑)。

それはともかく、WFPは少し前に「昨年の穀物生産は過去10年間で最高」と発表していています。しかし絶対量は足りないので、援助が必要、と言っています。

kazhikのコメント(2005年5月19日 08:41)


「忘れないで…人道支援を必要とする 30以上の国と地域」というタイトルのメールマガジンがユニセフから今日届きました。 メールの趣旨は次の通りでした(ユニセフのHPの忘れられた... [続きを読む]

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