北朝鮮本から見た日本の言論状況
- なぜ北朝鮮の問題に関心を持ったか
- 飢えた子どもたちの写真、強制収容所体験者の手記
- 日本の政治状況のねじれに対する危機感
- 朝鮮民主主義研究センター
- 北朝鮮論議の一つの枠組を提示することが目的
- Web上に出るニュース記事へのリンクと新刊書の紹介が中心
- ニュース:飢餓や人権侵害が中心。市民団体発のニュースを重視
- 新刊情報:新刊書を五段階で評価しつつ紹介。日本の言論状況を把握するため、すべての新刊書を読むことにしている。
- すべての新刊書を読む、という方針
- 一冊書くためにはある程度以上の知識が必要なので、一定の水準が期待できる。
- 零細出版社から出る少数派の見解も知ることができる。テレビ、新聞、雑誌は寡占状況にあり、偏っている。
- 読む価値のない本も読まざるをえない。優れた本でも飛ばし読みせざるをえない。
- 関心のあるテーマを掘り下げる時間がとれない。飢餓の分析など。
- 評価の基準
- 北朝鮮に対する認識を深めてくれる:プラス
- 根拠不明な賛美、または非難に終始している:マイナス
- 2000年以降の新刊書の概観
- 拉致問題:日朝首脳会談以後に激増
- 救う会、家族会:荒木和博『拉致救出運動の2000日』、北朝鮮による拉致被害者家族連絡会『家族』
- 左翼系:人権と報道・連絡会の『検証・「拉致帰国者」マスコミ報道』、太田昌国『「拉致」異論』
- ジャーナリストによるものはなぜかない。拉致事件そのものの掘り下げは不十分
- 難民問題:ニュースは多いが、本は少ない
- ジャーナリスト:石丸次郎『北朝鮮難民』
- 難民支援者:ノルベルト・フォラツェン『北朝鮮を知りすぎた医者 脱北難民支援記』
- 脱北者の手記:北朝鮮社会を理解する唯一の手がかり。ただし信憑性の判断が難しい
- 重村智計さんの基準:体験だけを書いている手記は信頼できる
- 姜哲煥『平壌の水槽』、金龍華『ある北朝鮮難民の告白』は合格、尹大日『北朝鮮・国家安全保衛部』、黄万有『北朝鮮人喰い収容所』は失格
- 『北朝鮮・国家安全保衛部』は概説書として価値あり
- 北朝鮮経済、社会:信頼できる統計がなく、研究はきわめて困難
- 経済改革について:伊集院敦『金正日「改革」の虚実』
- モノからみる北朝鮮:宮塚利雄『浮浪児と美女軍団 北朝鮮の暮らし』
- 飢餓の「古典的」分析:アンドリュー・ナチオス『北朝鮮 飢餓の真実』
- 人道支援:皆無。活動に支障が出るので発言できない?
- 援助活動をやめた人による報告:ノルベルト・フォラツェン『北朝鮮を知りすぎた医者』、マイク・ブラツケ『北朝鮮「楽園」の残骸』
- 外交:最も多彩で充実した分野
- 左翼・進歩派:日朝国交促進国民協会編『どうなる日朝国交交渉』、姜尚中・水野直樹・李鍾元編『日朝交渉 課題と展望』、姜尚中『日朝関係の克服』、武者小路公秀監修/徐勝・松野周治・夏剛編『東北アジア時代への提言』、岡本厚『北朝鮮とどう向きあうか』
- 保守派:島田洋一『アメリカ・北朝鮮抗争史』
- アメリカの論争状況:フォーリン・アフェアーズ・ジャパン編・監訳『アメリカと北朝鮮』
- 米朝関係の現場:ケネス・キノネス『北朝鮮 米国務省担当官の交渉秘録』『北朝鮮II 核の秘密都市寧辺を往く』
- 韓国での政策論議や中朝関係に関する分析は不足
- 軍事:意外と本が少ない。タイトルと内容がずれている本も
- 核問題:西岡力『テロ国家・北朝鮮に騙されるな』、神浦元彰『北朝鮮消滅』
- 対テロ戦争便乗本:『朝鮮有事!』『北朝鮮<空爆>へのシナリオ』
- 「北朝鮮バッシング」は支配的な傾向か?
- 「北朝鮮ネガティヴ・キャンペーン」への対抗:和田春樹・高崎宗司編著『北朝鮮本をどう読むか』、誹謗中傷が充満
- 萩原遼さんについて:「いくつものペンネーム、いくつもの人生」
- フォラツェンさんについて:「壁を壊そうとしてつくってしまう男」
- 反北朝鮮デマ本
- 8人死亡説は謀略:西岡力『金正日が仕掛けた「対日大謀略」拉致の真実』
- 飢餓は計画的殺人:萩原遼『拉致と核と餓死の国 北朝鮮』
- 最も重要な基準は人権・人道。日本の状況はそれほどひどくない。4年間で136冊のうち57冊が五つ星評価
- 付表・北朝鮮関連本一覧
朝民研