9/17の小泉訪朝の結果、日本政府が拉致と認定していた8件11人の事件はすべて事実だったことが明らかになった。同時に朝鮮民主主義人民共和国という国家の本質も明白になった。他国の一般市民を拉致し、20年以上もその事実を隠してきた国家だということだ。
人生を破壊されたのは拉致被害者だけではない。北朝鮮から中国へ脱出した難民の問題は瀋陽の駆け込み事件をきっかけにして広く知られるようになった。多くの脱出者は北朝鮮国内での苛酷な人権侵害の実態を伝えている。これは過去の問題ではなくて現在の問題だ。日朝国交正常化とは、そのような国家を承認することを意味する。
植民地支配の過去の清算は経済協力方式で行われることになった。今後の交渉では植民地支配の被害者に対する補償ではなくて経済協力の具体案が議題になる。韓国と違い、被害者が政府の決定に反して補償を要求することはおそらくできないだろう。この面からみても日朝交渉は意味がない。
日朝国交促進国民協会の事務局長を務めている和田春樹氏は、国交正常化に対する批判を「文明的でない」とまで言っている。私は聞きたい。いったい誰のための国交正常化なのか、と。300万人もの餓死者を出しても、数万人が難民として流出しても少しも揺るがない政権がどのような意味で「文明的」と言えるのか。
現在、日本では北朝鮮に対する不信と怒りがかつてないほど高まっている。それが排外主義へと流れていくのを防ぐためにも、北朝鮮の民衆自身が被害者だという観点に立った運動が必要だ。RENKの役割も今後ますます大きくなっていくに違いない。(「RENK東京通信」第14号に掲載)